ホンダeに見る電気自動車を選ぶ理由

数年ぶりの投稿となります。

ホンダe

先日ホンダ初の電気自動車「ホンダe」が発売されなにかと話題になっているようです。価格は451万円~と高額なのが残念でしたが。。。

もともと私は三菱の電気自動車「i-Miev」を所有しており、ホンダeについては以前から注目していました。電気自動車オーナーとして普段から電気自動車の利点や欠点を感じていますので、ホンダeの言わんとするコンセプトに共感できる部分もあります。

 

 

■ホンダeのコンセプト

電気自動車の弱点である航続距離の問題を解消するために、各自動車メーカーは電気容量の大きなバッテリーを搭載する傾向があります。でも電気容量が多くなれば当然バッテリーの体積が増え、居住空間を圧迫するか車自体を大きくする必要に迫られます。また、バッテリーの重量も増加しますので、常に重量物を運搬しながら移動する点でエネルギー効率が悪いものになります。

ホンダe構造

ホンダeでは「都市型コミューター」を目指し、コンパクトカーサイズながら、モーターを後輪に配置し、長いホイールベースを確保することで乗り心地や取り回しの良さ、運転の楽しさを追求したものとなっているようです。そのほかにも内外装デザインに親しみやすさを演出しながら装備に先進技術を取り入れ、これまでの自動車とは異なるスマートなイメージを提案しています。

普段「i-Miev」を運転していても電気自動車のありかたについて考える機会はあまりなかったのですが、ホンダeの発売によってあらためて考えさせられる良い機会となりました。

 

最小半径4.3m

ホンダeで地味に凄いと思った点:

私の所有している「i-Miev」は軽自動車規格ですのでもともと取り回しも良く最小回転半径は4.5mです。しかしホンダeはそれを上回る4.3mということで、ちょっと信じられないほどの小回り性能です。

■生活スタイルとのマッチング

私見ですが、乗る人の生活スタイルや住居環境などが一定の条件にマッチしない限り、電気自動車を所有する意味合いが薄れてしまったり全く意味のないものになります。極端な事を言えば、自宅の駐車場に充電設備を設けられない方は電気自動車を購入してはいけません。この場合、賃貸の集合住宅にお住まいの方はほぼ条件に合わないことになってしまいます。

ではどのような条件にマッチすれば電気自動車がおすすめ出来るのか次から述べていきます。当てはまる項目の優先度が高いものが多く該当すれば適していると思います。

  • 通勤、買い物など近距離移動に使用する(必須)
  • 一軒家の持ち家で駐車場のスペースがある(必須)
  • レジャーや遠出には別の車を利用する(優先)
  • 契約している電気会社には深夜料金が割引なプランがある(優先)
  • 住んでいる地域は寒冷地ではない(推奨)
  • 自宅に太陽光発電設備が備わっている(推奨)
  • 自動車の維持費は出来る限り安くしたいと考えている

都市型ではなく郊外型

ホンダは「都市型コミューター」という言葉を用いていますが、私は郊外に住む人こそ電気自動車が向いていると思います。1世帯で複数台自家用車を所有し一人一台が割と当たり前の地域であれば、車通勤で比較的距離を走行する方も多いでしょう。ほかの家族がガソリン車を持っていれば、レジャーで遠出する際にはそれを利用するなど工夫もできます。

切り離して考えられない電気との関わり

充電は自宅でするのが必須条件です。安い深夜の電気料金プランに加入していて、太陽光発電設備があればなお良いです。充電ステーションの急速充電を利用する手もありますが、待機時間やバッテリーへの負荷を考えて緊急時の利用に留めておくほうが賢明です。

電気といえば、寒冷地にお住まいの方は慎重に検討してください。ガソリン車はエンジンの熱を利用できますが、電気自動車は電気でヒーターを温めますので、その分航続距離が短くなります。

■電気自動車を選ぶポイント

ホンダeはその値付けからしてコンセプトモデルの延長上にある自動車といった印象です。たとえお金に余裕があっても、他車と比較してバッテリー容量や航続距離が見劣りしてしまい、積極的に選ばれることはないと思います。ですが後輪駆動と前後重量配分50:50の恩恵から走りの楽しさを訴求したものとなっているようで、自動車に楽しさを求める方なら一度は乗ってみたい自動車。となるかもしれません。

ところで、現在日本で購入できる電気自動車は非常に限られていますが、この先他のメーカーから新たな電気自動車が販売されることは明らかです。その際どういった点を基準に電気自動車を選べば良いでしょうか?

バッテリーの寿命はいつまで?

電気自動車で一番気になる点は、バッテリーの寿命がいつ訪れるのか?という問題かと思います。

みなさんもご存じのリチウムイオン電池には寿命があります。馴染みの深いスマートフォンならおよそ2年で容量の減りを実感し、仕方なく買い替えを検討し始めると思います。ですが電気自動車がたった2年しか乗れないのであれば、到底使い物になりません。新車で購入していったい何年、何万km乗れるのか?気になるところです。

とにもかくにもバッテリーの性能を重視したい

バッテリーの性能といっても容量や航続距離のことではありません。リチウムイオン電池の寿命はメーカーによって異なりますし、バッテリーの保護装置や、オーナーの乗り方次第でも変わります。同じメーカーの車両であっても年式やモデルによって異なるメーカーの電池が搭載されていることもあり、一概には言えないところです。

リチウムイオン電池の寿命を示すものとして「サイクル回数」が使われます。これは一定の容量(70%など)を維持するまでの充放電回数を示すため、寿命の目安となるものです。リチウムイオン電池の製造メーカーが公表していている場合がありますので、ぜひチェックしたいところです。なかには20,000回のサイクル回数を誇る製品もあり、これは毎日充放電を繰り返しても単純計算で54年もの長寿命となります。

■自動車メーカーはバッテリー寿命の指標を

電気自動車のメーカーにはバッテリーの寿命について統一された指標がなく、購入前にその情報が明らかにされていないのは問題ですし、「すぐにバッテリーが劣化してしまうかも」といった不安から購入をためらってしまいます。電気自動車ではバッテリーの保護装置(水冷システム)が寿命に影響するとされており、バッテリーのメーカーや仕様が判明していても、電気自動車としてそのままの性能にはなるかどうかわかりません。

航続距離やモーターのパワーの向上も大事かと思いますが、もっと根本的な部分で消費者の不安を解消してもらいたいと思います。

■ちなみに

私が購入したi-Mievのモデルは、たまたま東芝製バッテリーを搭載していました。東芝製のバッテリーは標準モデルに比べバッテリー容量が少ないかわりに急速充電時の効率が良く、長寿命に定評があることを後になってから知りました。三菱自動車ではバッテリーの容量を測定できるサービスがあり、保証期間内にバッテリーの容量が70%以下に減っていた場合はバッテリーの新品交換を受けられます。私のi-Mievも50,000km走行時に測定しましたが容量は105%と減っておらず安心した経緯があります。

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