MegaRAID SAS 8708EM2(NEC N8103-117)

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ハードディスクを最大8台接続可能なPCI-E RAIDカード「LSI製MegaRAID SAS 8708EM2」を入手したのでそのセットアップ方法、ドライバ入手先などを記載します。

■サーバ向け製品

このRAIDカードは主にサーバ製品ベンダー各社にOEM提供されており、今回入手したカードもNECへのOEM品として「N8103-117」という製品名で扱われています。

余談ですが役目を終えたサーバ製品やその付属部品は、とてもリーズナブルな値段で中古市場に流れていて簡単に入手可能です。販売時に数百万円したサーバ製品が、6、7年後の現在で数万円で入手可能なこともあります。

このカードも中古で超格安にて入手しました。
私の使っているサーバ用途のPCでは、もともとハードディスク4台をマザーボード上のSATAに接続し、ソフトウェアRAIDによってRAID5ボリュームを作っていました。
しかし、I/OエラーによってRAIDセットがたびたび「危険」な状態に陥り、問題があるとされたハードディスクを取り出して調べてみるも問題はなく、幾度となくRAIDを再構築し直す対処が必要となりうんざりしていたため、ちゃんとしたハードウェアRAIDカードが欲しかったのです。

 

■MegaRAID SAS 8708EM2 基本的なスペック

・SASコントローラー:SAS1078
・転送速度:1ポートあたり最大3Gb/s
・RAIDレベル : 0/1/5/6
・バスタイプ:PCI-E x8
・キャッシュ:128MB
・物理HDDの最大容量:2TB

スペック的に3Gbpsであったり、対応する物理ハードディスクの容量上限が2TBであったり、古さは否めませんが、私の用途では問題ありません。

・仕様の詳細(LSIのページ)
http://www.lsi.com/downloads/Public/RAID%20Controllers/RAID%20Controllers%20Common%20Files/ESG_MR_SAS_8708EM2_PB_090309.pdf
・NECサポートページ
http://support.express.nec.co.jp/pcserver/os.php?options=2720

 

■セットアップ

このカードはSAS接続ですが、miniSAS→SATA変換ケーブルを用いることで、SATAハードディスクと接続します。入手したカードにはロープロファイルのブラケットしか付属していませんでした。セットアップ対象のPCに装着するにはフルサイズのブラケットが必要なので、もう使わなくなったPCIカードから拝借しました。
スペックにもあるとおり、このRAIDカードはPCI-E x8です。セットアップ対象PCのPCI-EスロットへもX8バスに挿し込みます。
私の所有するPCにはX8バスはなかったのですが、X16バスがありますのでここに挿し込みました。これで問題なく使えます。

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①ファームウェアの確認とアップデート

PC起動時にRAIDカードのBIOS画面(この製品では「WebBIOS」と呼びます)が表示されますので、[CTRL]+[H]キーを押下して、設定画面へ遷移します。

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RAIDカードのファームウェアのバージョンを確認し、古くて問題になりそうなら書き換えを行います。
ファームウェアの更新はNECのExpress5800関連ページからツールをダウンロードして行います。

・RAIDコントローラファームウェアアップデートモジュール (Windows版) (No.051477)
http://support.express.nec.co.jp/istorage/support.php?options=2720&support=1&page=1&num=10&file=1&os=16

②RAIDセットの作成

WebBIOSにてRAIDセットをビルドします。私の場合はHDD4台でRAID5を構成しました。

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・N8103-116/-117/-118 ディスクアレイコントローラ(SAS)ユーザーズガイド (No.052677)
http://support.express.nec.co.jp/care/option/N8103-116_117_118/N8103-116_117_118_UG_JP_Rev1.pdf

・テクニカルガイド(RAIDコントローラSAS/SATA)
http://support.express.nec.co.jp/teci/tecbook-pdf/tb140425/option/dac/RaidController_SAS_SATA.pdf

③ドライバのインストール

NECのサポートページからダウンロード可能ですが、このRAIDカードが搭載されたExpress5800シリーズのサーバのページであればどこからでも入手できるかと思います。でも面倒なのでLSIのページからダウンロードします。
・LSI Download
http://www.lsi.com/support/pages/download-results.aspx?keyword=8708EM2

私の場合サーバOSはHyper-V2012ですので、Windows2008ServerX64のドライバをインストールします。
コンソール画面から
>pnputil -i -a megasas2.inf

④パーティション作成とフォーマット

Hyper-VサーバにはGUIと呼べる機能がほぼありませんので、ハードディスクのパーティション作成およびフォーマットは、diskpartコマンドで行います。


> diskpart
> list disk
> select disk n
> convert gtp
> create partition primary
> list partition
> select partition n
> format fs=ntfs label=”RAID Volume” quick
> assign letter=N


■リビルドについて

・リビルド時間の目安
http://support.express.nec.co.jp/teci/tecbook-pdf/tb140425/option/dac/RaidController_SAS_SATA_C.pdf

RAID5では、ボリュームを構成したディスクのうち、1台のハードディスクが故障してもデータは保持されます。通常壊れたハードディスクは、同じ容量の新しいハードディスクと交換し、再び冗長性を保持するためにリビルドを行います。リビルド中はすべてのハードディスクへのアクセスが頻繁に行われるため、パフォーマンスへの影響は避けられず、運用との兼ね合い考慮して慎重に検討しなければなりません。また、リビルド中に他のハードディスクが故障すると、すべてのデータを失ってしまうため、管理者にとって手に汗握る時間となります。

■領域拡張

・Add Capacity 時間目安
http://support.express.nec.co.jp/teci/tecbook-pdf/tb140425/option/dac/RaidController_SAS_SATA_E.pdf

RAIDを構成したボリュームに新しいハードディスクを追加して、ボリュームの容量を拡張することができます。このあたりの機能が普通のパソコン向けRAIDカードとは異なります。

 

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LSIロジック MegaRAID SAS 8708EM2 KIT(LSI00187)

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miniSAS → SATA ファンアウトケーブルラッチ付 50cm

 

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